インタビュー記事紹介

  • ■ 充実した機械設備と徹底した社内検品体制で高精度・高品質のシール・ラベル印刷を提供『札幌の技術 2005年度版』

    北海シーリング(株)は、シール・ラベル・ステッカーなどの印刷に特化した会社として、昭和57年(1982年)に設立。経済成長とともに順調に業績を伸ばし、工場や設備の充実を図りながら、昭和60年(1985年)には製造部門に二交代制を導入。機械をより効率良く動かし、24時間ライン稼働可能な体制に強化したことで、迅速な納期対応を実現し、生産性の向上にも成功した。さらに平成8年(1996年)頃から、業界としてはいち早くデジタル化に着手。製版部門へのMacintosh及び周辺機器の導入や、受注関連業務のIT化などに積極的に取り組み、業務の合理化、効率アップに努めている。

    同社では、価格競争ではなく「品質重視による差別化」を全社的に徹底して推進。確かな品質と、大量ロットから多品種少量ロットまで多彩なニーズに細やかに応える体制で、道内の食品関連分野の製品づくりを中心に、安定した業績を上げている。

    「品質重視」。同社のこの姿勢は、機械設備の充実度を見てもわかる。工場内には平圧、半輪転、輪転、間欠輪転印刷機と、17台のラベル印刷機が稼働している。特に道内では数台しかない6色輪転印刷機をはじめ、4色輪転、5色凸版間欠輪転、さらには最近、4色凸版間欠輪転機を導入し、高精度のラベル印刷を実現。版の線数も、一般的に上限が150線とされているのに対し、同社では、175線、さらにはそれ以上の高線数で対応でき、オフセット印刷並みの高品質を可能にしている。また、こうした印刷機の選定にもこだわりがあり、高コストでも精度の高い「純国産」のものを基準に細かく調査し、実物を操作させてもらいながら、しっかりと見極めて選んでいる。これだけの印刷機器を導入しているのは道内でも珍しく、業界トップクラスと言える。

    さらに、常に高い品質を保てるよう、社内での検品を徹底して行い、顧客からのクレームを防止することを最優先にしている。社員全員が検品者・確認者として、製版や印刷などの各工程ごとに厳しくチェック。社内で「これは汚いから外には出せない」というような意見交換が頻繁に行われている。

    こうした一人ひとりの品質に対する高い意識と、それを支える充実した設備体制が、「北海シーリングに任せれば安心」という信頼につながっている。

    いち早くIT化を進めてきた同社では、社長自らが考案・構築した独自の受注見積り販売管理システムを平成11年(1999年)に導入。それまで伝票処理を徹夜ですることもあった社員が、営業に専念することができるようになり、業務の効率化・スピードアップの実現という、大きなメリットが生まれた。また新しい製品づくりにも意欲的に取り組み、さまざまに特殊加工・特殊印刷したシール・ラベルを開発。実際、線数230線の高精度で6色印刷機で作ったテスト用シールは、世界ラベルコンテスト(2001年)で部門賞を受賞。そのアイデアと高い技術力は、世界でも評価されている。さらに、ゴミなどのリサイクル化も推進。社内から出る紙やフィルムなどのゴミを外部に委託することによって、すべて固形燃料にリサイクルできるシステムも確立している。

    このように同社では、技術・体制面をはじめ、あらゆる面で一回りも二回りも強い企業として基盤を築いてきており、今後の活躍が大いに注目される。

    シール印刷製造部 田中 大輔さん(27歳)平成10年入社

    私が今担当しているのは、4色と5色の間欠輪転印刷機です。仕事は4色カラー印刷が中心で、できるだけ写真に近づけようと色を調整していくのですが、赤が強かったり黄色が強かったり、その辺の微妙な調整が難しいですね。電算化して色を合わせることも可能ですが、いろいろな条件で色調が変わってくるので、やはり実際に目で見て判断することが必要です。当社では、オペレーションの人たちは全員調色ができますし、そういう職人的な技術を磨いていけるのはやりがいがあります。

    仕事で特に心がけているのは、忙しくても仕事が雑にならないようにすること。納期が迫って気持ちが焦ってきますが、それを抑えてきちんとしたいいものを仕上げていく。しっかりとした準備とメンタル的な強さが必要だと思います。これからも、何もわからなかった時の初心を忘れず、常に一つでも上を目指す気持ちで、いつまでもきれいで、お客様に喜ばれるシールを作っていきたいと思います。