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■ 第17回シール・ラベルコンテスト受賞記事
ラベル新聞(業界誌)インタビュー記事・・・2008.1
北海シーリング株式会社(札幌市西区発寒、●011・665・1271)は全日シール連主催の「第17回シール・ラベルコンテスト」で2点を出品し、経済産業省商務情報政策局局長賞と優秀賞を受賞。また、ベルギー・ブリュッセルで開催された「第19回世界ラベルコンテスト」でも、レタープレス(カラープロセス)部門で審査員特別賞の栄誉に輝いた。レタープレスCTPとFMスクリーン技法による高品位印刷が、国内外に評価された。「いろいろな要素がマッチして奇跡的な仕上がりに結びついた」と語る有原常貴社長に、受賞作品の評価とCTP導入で得たメリットについて聞いた。
――受賞作品に対する評価は
レタープレスによる印刷に関する自分の知識と経験が生かせたと感じています。特に猫(全日本ラベコン・局長賞、世界ラベコン・審査員特別賞)は、審査員の方々から高い評価を頂きました。いろいろな要素がうまくマッチングして、奇跡的な仕上がりに結びついたというのが正直な感想です。
――周到に準備していたような印象ですが
土壇場で何とかした感じです(笑)。
テーマを考えるうえで「FMならいまが旬だし、外せない」という思惑も当然、ありましたし。
それでもいま思えば、書体をもっと見やすいものに直しておきたかったなど、いくつかの反省点もあります。
――デザインについては
FMスクリーンに向いているデザインというのがあると思います。
淡い単色の表現は抜群だと思います。デザインに対し、非常に忠実に再現できます。
逆に濃度の高い掛け合わせのグラデーションは苦手かもしれません。濃度が高くメリハリのあるデザインだと、FMでは若干インパクトに欠けるのではないでしょうか。
山(優秀賞)の方は濃度を高くしてみようと思いました。一見、網点がつぶれていそうですが、ルーペでみるときれいな形状を残しています。
――過去に実績のあるアナログ製版による230線をしのぐ、CTPで300~350線ということですが
これは機械の性能に依存する部分が大きいと思います。CTPと印刷機のマッチングも重要になるでしょう。
昨年1月に「PlateRite FX870」(大日本スクリーン製造製)を導入しCTPに移行しましたが、アナログ製版で培ったノウハウがあったからこそ、高細線印刷が可能になったと自負しています。
――使用ソフトは
「Fairdot2」というAM/FMのハイブリッドスクリーニングを使用しています。
FMの評価はソフト発売と同時に行いました。
今回のラベルコンテストでも確かな効果があることが証明できたことから、日常業務でも徐々にFMへの切り替えを進めているところです。
――CTPとFMスクリーンを使った印刷のメリットは
凸版固有の中間色が上がる特性が抑えられます。それに加え、グラデーションの範囲が広域になります。
さらにデータの濃度調整が容易なことから、デザイン段階で印刷物の仕上がりが予見しやすくなることなどを実感しています。
――CTP運用における展望や目標は
CTP導入によるフイルム出力工程の内製化で、品質向上はもとよりコスト削減にもつながっています。今後も、この傾向をさらに強める方針です。
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